翻弄
雨風に憂い漂い凪ぐ君が好きだった 枯れ果てた海または赤錆の降る町で 僕だけが見付けた青白い君が好きだった 僕だけが見付けた青白い君が好きだった
君の声はトレモロ掛かってゆくんだ だけど手元狂ってもっと撫でまわしてしまいそう
翻弄に細工を仕掛けるようなあなたと期待の希薄さ 蹴りか接吻か選んでね♡って君はずっと蹴ってんのに 奇々怪々な幻想 騙されはしない夜 ギラッと光る唇の情景 赤すぎやしないか
天井に落ちる涙にも慣れてきた頃 退屈さは僕を裏切ることもし損なって
(道にまで溢れ出す愛さ 止められはないさ! こんな気持ちは初めてさ!! 君を離しはしないさ!)
甘い台詞で張り巡らせていた 伏線を切って繋いで切って 背徳性の無残な靴底
結局限界来る前に冷める恥じらいが着替えて流し目で笑 「いつまでサイレント気味な芝居打ってるんだい?」 「乗り気?」 正直惰性のまま踊りだす指先は緩慢 真っ青な君の着飾った透明 剥がれ落ちてくんだ
振り向く時には後ろも前もないさ さらけ出したように隠してさよなら 不完全燃焼断熱層
今生で最後の接吻 腐った匂いの真っ青な絶景
翻弄に細工を仕掛けるようなあなたと気体の希薄さ キックかキスか選んでねって君はずっと蹴ってんのに 奇 不可解な本能 情けない失いたい 血迷った僕が飲み干した透明 赤すぎやしないさ (どこにいるのダーリン)